ハンス・J・ウェグナーデザインのYチェア。
1949年にデザインされ、翌年の1950年から生産を開始。
60年以上に渡り生産が継続されています。
名前の由来となる「Y字」の背とフレームのバランスがとても美しく、また座り心地もとてもよい椅子です。
背もたれは、ていねいに一つ一つスチームで曲げ木加工で製作されています。
背もたればかりでなく、Yチェアの製作工程の100以上が手作業で行われています。
また、120メートルのペーパーコードは手作業で1本1本編まれおり、
長年に渡り使用できる優れた耐久性をもっています。
まさに木工技術の真髄ともいえるイスです。
Yチェアの美しい形の元をたどれば、明代の中国のイスにたどり着きます。
デザインする以前に中国・明代の「圏椅(クァン・イ)」「曲ろく(キョクロク)」
というイスを本で目にしたのがはじまりです。
圏椅の形を元に、余計な要素を少しずつ省いていくことで、
ウェグナーの求めた形、シンプルなYチェアの形にたどり着いたのです。
圏椅から残されたのは3つの要素のみ
アームの半円
アームを支える2本の曲線
薄くスッと伸びる背板
どの角度から見ても、このシンプルな3つの要素が美しく見えるのが、Yチェアなのです。